石川県で発生した記録的な大雨は、元日の能登半島地震の復興ボランティアを足止めすることになった。21日も被災地を訪れた男性は「我々はまた、泥をかくだけだ」と語った。
堺市に住む公務員の郷田秀章さん(51)は地震発生直後から月2回程度、被災地に通ってきた。
郷田さんは21日午前7時50分ごろ、石川県輪島市にあるボランティアのベースキャンプ地を出発した。約1時間後、この日の活動地となる能登半島北端の珠洲(すず)市に到着。ただ、雨脚が強まり、何もできないままボランティアセンターで待機となった。
程なくしてさらに雨が強まり、1メートル先にいる仲間への声も通らなくなった。センターの建物も浸水被害に遭う可能性があったため、1階にあるコピー機などを2階に運んだという。2階にはボランティアら計約60人が身を寄せた。正午過ぎには、近くを流れる若山川が氾濫まであと50センチほどに迫っているのが見えたという。
この日の活動は中止となり、3連休の残り2日も取りやめになった。これからもボランティアを続けるという郷田さん。「作業員は頑張って復興を進めてきたが、大雨は被災者の方たちにはこたえるだろう」と心配そうに話した。【戸田紗友莉】
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