そろいの浴衣姿で踊りを披露する参加者=鹿児島市で2021年11月3日午前11時28分、石田宗久撮影

 鹿児島市の繁華街・天文館で11月2、3日にある「おはら祭」の踊り連(踊り手グループ)として、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の鹿児島家庭教会が参加を申し込んだことが、同教会への取材で判明した。おはら祭振興会の事務局を務める市は今年から参加を拒否する場合の要件を設けており、10月中旬までに可否を決める。教団側は参加を認めるよう求める要望書と嘆願書を市に提出している。

 鹿児島家庭教会によると、おはら祭には2019年、20年、23年に踊り連として参加。23年は約70人で参加した。祭りの終了後に参加が報道され、市に30件以上の抗議が寄せられた。市は今年、「参加をお断りする踊り連等」として、「反社会的団体」「公序良俗に反する行為や法に抵触する行為など参加がふさわしくないと判断した踊り連」「祭りの開催に支障を来す」など7項目を設けた。

 市によると、今年の踊り連の参加申し込みは10日に締め切られ、約190団体(約1万4000人)が応募。市は鹿児島家庭教会からの申し込みの有無を明らかにしていないが、同教会によると、約80人の参加を申請した。川原史行(ふみゆき)・教会長は「一市民としての純粋な気持ちで申し込んだ」としている。

 旧統一教会を巡っては、高額献金や霊感商法などの金銭トラブルが問題となり、文部科学省が23年10月、教団の解散命令を東京地裁に請求。現在も審理が続いている。【梅山崇】

おはら祭

 1949年の鹿児島市制施行60周年を記念して始まった、南九州最大の祭り。新型コロナウイルス流行の際も規模を縮小して行われた。町内会や学校、企業などの総勢2万人を超える踊り手が、郷土民謡「おはら節」や「鹿児島ハンヤ節」などの曲に合わせて練り踊る。鹿児島と鎌倉時代からの縁がある東京・渋谷でも1998年以来、毎年5月中旬、「鹿児島おはら祭」が開かれている。

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