福岡・西署は18日、偽造免許証などを提示して空き家でクレジットカードなどを不正に受け取っていた詐欺グループの検挙に貢献したとして、佐川急便西福岡営業所(福岡市西区)の配達員、中島希望(のぞむ)さん(22)らに感謝状を贈った。
中島さんは2023年4月、福岡市近郊のアパートにクレジットカードを再配達。若い男性が部屋から出てきたが、玄関に靴はなく、ドアのすき間から見えた室内にも家具がないなど生活感が感じられず怪しく思った。本人確認で提示された免許証の住所や顔写真に不自然さはなく違和感を持たなかったが、営業所管内では生活感のない部屋への再配達を依頼する同様の事案が相次いでおり、「もしかしたら事件かもしれない。何かあってからでは遅いから」と直感し、すぐにカードを渡さなかった。
やり取りは5分ほどだったが、営業所に確認の連絡をする中島さんに、男性は「まだ確認とれないんですか」と言いながら時間を気にしたり、焦った様子で貧乏揺すりをするように足を動かしたりして落ち着きがなかったという。最終的にカードを渡さずに引き上げ、不審な状況を上司に報告。その後、同営業所から西署への通報が詐欺グループの逮捕の端緒となった。
感謝状を受け取った中島さんは「日ごろから地域の方々が安心して生活できるよう貢献したいと思っていた。情報提供から検挙に至って本当に良かった」と笑顔で話した。
県警はこれまでに、偽造した運転免許証などで不正契約したクレジットカードでスマートフォンなどを購入し、転売したなどとして、詐欺容疑などで13人を逮捕している。【栗栖由喜】
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