名古屋国税局=井口慎太郎撮影

 都市ガス大手「東邦ガス」(名古屋市)が、金融商品の取引を巡り法律上認められない会計処理をしたとして、名古屋国税局から約200億円の申告漏れを指摘されていたことが10日、関係者への取材で分かった。同社は毎日新聞の取材に対し「見解の相違があり、不服申し立てをした」とコメントした。

 関係者によると、問題が指摘されたのは、都市ガスの原料の仕入れ価格を固定化するデリバティブ取引での利益。一定条件を満たせば利益を次年度以降に繰り延べて計上することが認められているが、同社は条件を満たしていない利益を繰り延べて計上し、結果的に所得を少なく申告したとされる。

 名古屋国税局は昨年8月、2022年3月期までの4年間で計約200億円の所得税などの申告漏れを指摘し、過少申告加算税などを含め約55億円を追徴課税した。

 同社は既に追加分を納付している一方で「繰り延べが認められる時期に相違があり、国税不服審判所に不服申し立てをした」とコメントした。【道下寛子】

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