JR貨物は貨車などに使用する輪軸を組み立てる作業で、データを差し替えるなどの不正行為をしていたことを明らかにしました。7月に脱線した車両にも不正が行われた輪軸が使われていて、国交省は11日に不正が行われた3カ所の車両所に立ち入り検査を実施します。

 JR貨物によりますと、不正が確認されたのは全国に6つある車両所のうち北海道の輪西と川崎、広島の3つの車両所です。

 7月に山陽線の新山口駅で貨物列車が脱線した事故を受けて社内調査したところ、不正に関与した社員は少なくとも11人いるということです。

 JR貨物が所有するおよそ8550両のうち貨車560両、機関車4両で不正行為が行われ、今後すべての車両を検査するとしています。

 これにより、貨物の輸送量は通常に比べて1割程度、減るということです。

 不正行為は貨車などに使用する輪軸を組み立てる作業で、基準値を超える圧力を掛けたにもかかわらず基準値通りにデータを差し替えていたというもので、7月に脱線した車両にも不正が行われた輪軸が使用されていました。

 JR貨物は因果関係について「運輸安全委員会において調査している」として回答は差し控えました。

 一方、国土交通省は「鉄道輸送の安全確保を根底から覆す行為であり、極めて遺憾」としたうえで、9日付で緊急点検の指示を行い、20日までに報告することを求めました。

 また、11日午後にも不正が行われた3カ所の車両所に立ち入り検査を実施するとしています。

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