千葉県内を走る幹線道路、国道16号線が上下4車線にわたって陥没しました。首都圏の大動脈が寸断され、大きな影響が出ています。現場付近では3日、1時間に87ミリの猛烈な雨が降っていました。


■国道16号が陥没…大雨の影響か

4日午前9時半ごろに撮られた写真には、路面に大きなくぼみが見えますが、乗り越えていく車もまだいたようです。その直後に撮られた1枚。路面に亀裂が走り、通行が規制されました。手前の車線は少しへこんでいるように見えます。振り返るとくぼみがどんどん大きくなっていました。

撮影した女性
「怖かった。どんどん広がっているから『まずいまずい』という話も聞こえて」

その後1時間ほどかけて、じわじわと崩落が広がったようです。中央分離帯を越えて国道16号の4車線が陥没しました。

市原市では3日に猛烈な雨が降り、一時避難指示が出されたほど。国道16号を含め、あちこちで冠水しましたが、陥没したあたりは「水がたまっていなかった」との証言もあります。


■道路下に水路 影響は…

ではなぜ国道が崩れたのか。現場の道路の下には、横切る形で120メートルほどの水路が通っていました。市原市によると、この水路は古くからあるもので、かつて農業用か工業用の排水に使われていたものではないかといいます。

この水路の奥、国道の下にあたる部分には太い管が通されていました。その管に大雨が影響した可能性もあります。

千葉国道事務所 須藤爾千葉出張所長
「恐らく見た感じでは水路自体が沈んでしまっている。丸い管が沈んだのかなと。沈むと上の道路が下に引っ張られて折れてしまい、陥没みたいな感じ。(Q.大雨の影響は?)何十年も地震とか大雨もあった。色々な要因が考えられる。原因はこれだと言い切るのは難しい」


■大動脈ストップで周辺混雑

国道16号は“東京環状”とも呼ばれ、1都3県をぐるりと結ぶ、首都圏の大動脈です。災害時の緊急輸送道路にも指定されています。

現場は、工場や倉庫が立ち並ぶ京葉工業地域の中心部。大型車両が絶え間なく通っていた道路が午前中から通行止めとなりました。そのため、生活道路では迂回する大型車両と住民の車が入り混じる状態に。

住民
「普段だったら10〜15分で戻れるが、20〜30分かかった。倍くらいかかったかな。(Q.明日通勤はどうする)明日通勤は車で…車じゃないな、徒歩で来ると思う」
「父親がトラック関係の仕事をやっているので影響は出ている。本当は4日に納品だったのが、2〜3日後とかになったり」

これまでのところ、陥没によるけが人は確認されていません。国交省・千葉国道事務所によると、5日昼ごろまでに上下線とも復旧できるよう調整しているということです。

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