毎日放送(大阪市)は4日、バラエティー番組「ゼニガメ」の放送内容に事実と異なる内容があったと発表した。
同局によると、7月17日の放送で、買い取り業者が奈良県内の家屋で遺品整理をする様子に密着した際、金庫から金の延べ板が見つかり、現金で買い取る様子を紹介した。放送後、視聴者から「金庫はオークションサイトに出品されていた可能性がある」と指摘があり、業者に確認したところ、自ら落札したことを認めたという。
同局が調査した結果、金庫と金の延べ板は、業者の社長が指示して事前に準備していたことが判明。遺品整理の依頼者も、業者が手配しており、この家とは無関係だった。
また2023年11月と今年5月にも、この業者が土地と建物を現金で買い取る様子を放送したが、いずれもロケ以前に業者が買い取っていて当日に売買はしておらず、依頼者や立ち会った司法書士も業者が事前に手配していたことが判明した。
同局の調査に対し、業者の社長は「制作会社のディレクターの期待に応えたかった」と話しており、いずれの放送回でも制作スタッフの関与は確認されなかったという。同局は「事実と異なる内容を放送したことを深くおわびします」とコメント。「企業のサービス利用者の取材は、番組が主導して取材対象を選定することを原則とする」などの再発防止策を発表した。
同番組は7月の放送について「一部事実と異なる部分がある」として8月の放送を延期していたが、9月から放送再開を予定している。【谷口豪】
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