「交通空白」解消本部の会合であいさつする斉藤鉄夫国土交通相=東京都千代田区で2024年9月4日、佐久間一輝撮影

 国土交通省は4日、一般ドライバーが自家用車で客を運ぶ「日本版ライドシェア」の普及拡大策をまとめた。予約や決済方法を柔軟にするほか、ライドシェアに関する規制を一部緩和する。ライドシェアは現在、22都道府県で運行が始まり、9県が導入を準備している。斉藤鉄夫国交相は「交通空白」解消本部の会合で「年内に全都道府県において導入することを目指し取り組みを強化してほしい」と指示した。

 日本版ライドシェアは4月、東京や京都などで運行が始まった。運営主体はタクシー会社で、運行可能な時間帯や曜日、台数などが制限されている。

 利用者は原則、配車アプリに現在地と目的地を入力し、経路と運賃を確定したうえで、事前に登録したキャッシュレス決済で支払う必要がある。都市部以外では配車アプリが普及していない地域も多い。

 今後はタクシー会社に電話予約し、現金払いできる方法も普及させる。まだ配車アプリを導入していないタクシー会社でもライドシェアを運行できるよう国が支援する。

 大都市部以外の地域では運行条件を緩和する。エリアで稼働するタクシー台数の5%を上限としていたライドシェアの車両数を10%まで拡大し、曜日や時間帯についても柔軟な対応を認める。現在は雨天や酷暑、イベント開催時などに限って、運行条件が緩和されていた。

 公共交通機関の利用が困難な「交通空白地」の解消に向け、官民連携の新組織を年内に設置することも決めた。国や自治体、タクシー会社、配車アプリのサービス会社などが連携し、移動の手段の確保を急ぐ。斉藤氏は「交通空白解消に向けた取り組みを持続的に進めるには、分野や業種の垣根を越えて一体となった取り組みとしていくことが重要だ」と述べた。【佐久間一輝】

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