写真はイメージ=ゲッティ

 東京電力パワーグリッド(PG)とシンガポールの会社2社が前橋市で「世界初」と銘打って始めた実証試験に使うゲームアプリ「ピクトレ」について、シンガポールが拠点のNPO法人が「知的財産を侵害された」と訴えていることが22日判明した。提供するゲームアプリ「TEKKON」とゲーム内容やアプリの動作などが酷似しているとし、東電PGなどの提訴を検討している。

 いずれも市民がスマートフォンのアプリで電力会社の電柱写真を撮影し、インフラ整備につなげる社会貢献ゲームで、ピクトレは「ぼくとわたしの電柱合戦」、TEKKONは「電柱聖戦」の名称。TEKKONはNPOのホール・アース・ファウンデーション(WEF)が2022年以降東南アジアなどで展開し、国内では北陸電力・東北電力のグループや関連会社と共同で実証実験を実施した。ピクトレは4~6月の前橋市での実施が初。

 市は、市の魅力向上事業の一環で東電PGに協力して情報を発信したが、WEFから10日に侵害の訴えを受け、東電側から取り下げる形で協力を解消し、ホームページ上の市長記者会見の動画とリリースを削除。東電PG担当者は「WEFの訴えは直接聞いていないが、ゲーム開発会社から知的財産の侵害はないと報告を受けている」と説明している。【田所柳子】

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