気象庁=東京都港区虎ノ門3で、黒川晋史撮影

 台風10号は1日正午の気象庁の観測で熱帯低気圧に変わった。ただ、西日本と東日本では大気の状態が不安定になる恐れがあり、気象庁は引き続き土砂災害に厳重に警戒するよう呼びかけている。東海道新幹線は1日午前、東京―三島間で運転を再開。三島―名古屋間はほぼ終日運休したものの、午後6~8時ごろに東京―新大阪間を出発する臨時列車を運行。交通への影響が続いた。

 JR東海によると、東海道新幹線は2日始発から全線で運転を再開する予定。ただ、天候次第では運転を見合わせる可能性がある。JR西日本によると山陽新幹線は1日、新大阪―博多間で列車の本数を減らして運行。2日は始発から通常運転する見込みだ。

 動きの遅かった台風の影響で東日本から西日本の太平洋側を中心に記録的大雨に見舞われた。8月27日の降り始めからの降水量は9月1日午後3時現在、静岡県伊豆市の天城山で964・5ミリ、宮崎県えびの市のえびの高原で911ミリと、平年の8月1カ月分の約2倍の雨が降った。

 熱帯低気圧の影響で2日も非常に激しい雨が降る可能性がある。2日午後6時までの24時間に予想される降水量は東海150ミリ▽近畿120ミリ▽関東甲信100ミリ▽北陸80ミリ――となっている。

 総務省消防庁によると、台風の死者は愛知県や福岡県などで7人、鹿児島県で1人が行方不明になっている。【安藤いく子、御園生枝里】

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