防災意識、地震保険加入率ともに「中国」エリアが最下位――ソニー損保(東京都大田区)は9月1日の「防災の日」に合わせ、こうしたアンケート結果を公表した。今年は元日に能登半島地震が発生し、4月には高知・愛媛両県で震度6弱を観測。8月の日向灘地震では「南海トラフ地震臨時情報」(巨大地震注意)が初めて発表されるなど、いつどこで起こるか分からない地震への備えが重要視されている。
ソニー損保は7月22~24日、持ち家家庭の火災保険加入者1000人を対象に、インターネットによる意識調査を実施。避難場所の確認や食料の備蓄など10項目の地震対策について、1項目・1ポイントの10ポイント満点で集計し、全国10エリアを順位化した。
その結果、上位3エリアとポイント数は、「東海」4・58▽「東北」4・56▽「甲信越」4・41――の順となった。最下位の「中国」は3・31ポイント。能登半島地震があった「北陸」は4・17ポイントで6位だった。
実施している地震対策は、「避難場所や避難経路を確認」(61・8%)が最も多く、「食料・飲料等の生活必需品の備蓄を3日分ほど用意」(50・6%)、「家具の転倒防止等の対策」(46・2%)が続いた。一方で実施している人が少なかったのは「自治体等の避難訓練や防災訓練に定期的に参加」(24・3%)や、「災害伝言ダイヤル等の利用方法を確認している」(28・9%)だった。
地震保険加入率(建物・家財両方の加入)についても質問したところ、「四国」が1位となり、他のエリアを大きく上回る70%に上った。2位は「九州・沖縄」「東海」の64%。「北陸」は前年比9ポイント増の60%で順位も8位から4位に上昇したほか、首都直下地震が想定される「関東」は55%で7位だった。
最下位の「中国」は47%となり、加入していない理由は「地震の起こる確率が低い」「地盤が良い」が多く、「なんとなく」という声もあった。
南海トラフ巨大地震で甚大な被害が想定されるエリアで加入率が高い傾向が出た一方で、「中国」は地震に対する危機意識が低いことがうかがえたという。
ソニー損保は「昨今、地震だけでなく大雨などの自然災害も増加している。人ごととせず、防災意識を高め、日ごろから十分な対策を取ってほしい」としている。【木原真希】
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