台風10号の影響で、神奈川県内では県西部や湘南地域を中心に29日から非常に激しい雨に見舞われた。県によると、3人が軽傷を負い、4棟が床上浸水した。
小田原市では29日午後9時ごろ、70代の住民女性が自宅の庭が陥没してできた穴(深さ3~4メートル)に転落し、軽いけがをした。住宅裏を流れる河川の増水で、護岸の最下部が掘られて庭の土が川に流されたとみられる。平塚市でも2人が軽傷。
気象庁によると、小田原市では30日午後0時50分までの24時間雨量が331・0ミリで、観測史上最大を記録。海老名市や平塚市でも「8月の観測史上最大」を記録した。
二宮町は町内を流れる葛川の水があふれ、一時、町内全域に危険度が最も高い「緊急安全確保」が発令された。県警によると、町内の幹線道路が冠水し「車が水につかった」などの通報があった。
道路の被害も出た。30日午前6時45分ごろ、伊勢原市と秦野市を結ぶ国道246号の新善波トンネル出入り口付近で、のり面が崩れ、乗用車2台が土砂に巻き込まれた。車内に運転手2人を含む計3人がいたが、車外に逃げ出して無事だった。
相模原市緑区のリニア中央新幹線の地上の工事現場では、土砂の仮置き場に積んでいた土のうが崩れた。高さ3メートルの仮囲いが隣接する市道に倒れ、一時通行止めになった。
県によると、住宅の一部損壊が3棟。床上浸水は平塚市3棟、二宮町1棟。床下浸水は相模原市などであった。【柿崎誠、遠藤和行、因幡健悦】
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