埼玉県和光市は28日、市内の介護施設で暮らし、昨年10月に老衰のため亡くなった小林繁雄さん(享年96)が、遺産の全額約1億2179万円を遺言で市に寄付したと発表した。小林さんは2016年にも1000万円を同市に寄付していた。
市は、今回の約1億2000万円を9月定例市議会に提出する補正予算案で、寄付金積み立て用の「和光市まちづくり基金」に繰り入れ、小林さんの遺志に沿って活用する。
市が小林さんと交流のあった福祉関係者に確認したところ、小林さんはもともと学校の教師で、地域の民生委員も務めたという。子どもはなく、和光市内の団地で長年、妻と暮らしていたが19年に妻が亡くなり、20年に介護施設に移った。
同年12月24日付で遺言公正証書を作り「財産の全てを和光市に包括して遺贈する」「農業や、伝統工芸に関する事業に役立てていただければ幸い」などと記した。使途は16年の寄付でも同様の意向だった。遺骨は本人の遺志に基づき、東京湾に散骨されたという。【高木昭午】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。