ノロウイルスが検出された滝の説明をする熊本県の担当者ら=熊本市中央区の県庁で2024年8月27日午後3時25分、山口桂子撮影

 熊本県天草市の「轟の滝」で川遊びをして下痢や嘔吐(おうと)などの症状を訴える人が相次いだ問題で、原因を調査していた県は27日、患者と川の水からノロウイルスが検出されたと発表した。原因が「ノロウイルスの可能性が高い」とする一方、患者と川で検出されたウイルスの遺伝子型が異なることから「断定できない」としている。

 県によると、19、23日に滝周辺の水を採取したところ、同型のノロウイルスを検出。一方、有症者6人の便からは川とは異なる型のノロウイルスが出た。

川遊び後に腹痛などの症状を訴える人が相次いだ熊本県天草市にある「轟の滝」。原因不明のため県は遊泳を控えるよう呼びかけている=熊本県提供

 ノロウイルスは自然界にも存在するほか、ウイルスを含んだ生活排水が流れ込むこともある。この1カ月程度降雨が少なかった影響で滝つぼに水が滞留し、通常は流れ出るはずのウイルスがとどまった可能性もあるという。

 27日までに医療機関を通じて保健所に下痢や嘔吐などの症状を訴えた人は計124人に上っており、いずれも軽症。【山口桂子】

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