鹿児島市役所=鹿児島市山下山下町で、足立旬子撮影

 鹿児島市は20日、社会福祉法人「八重山会」(北郷(ほんごう)利美理事長)が市内で運営する二つの障害者施設で、知的障害のある利用者に対する虐待が延べ43件あったと発表した。障害福祉サービス費の不正請求も約3000万円判明。市は新規利用者の受け入れを9月から1年間停止させるなどの行政処分を出した。

 市などによると、2023年11月の定期監査で虐待の疑いが判明した。力ずくで体を引っ張るなどの身体的虐待13件▽故意に不安にさせるなど心理的虐待22件▽不適切な言葉をかけたり、体を触ったりする性的虐待7件▽要望に取り合わない放棄・放置1件――を確認。1人が擦り傷程度のけがをしていた。虐待に関与した職員は18人に上り、管理職も含まれるという。

 また、法人は19年2月~24年1月、入所施設で働く職員を通所施設の所属と装ったほか、入所施設で職員数が規定を満たしているように装うなどして加算金を不正請求し、市から計3196万円の障害福祉サービス費を受け取っていた。市は不正請求額に加算金を加えた4474万円の返還を法人に命令した。

 北郷理事長は毎日新聞の取材に「被害者の家族には一軒一軒訪問して謝罪した。指摘を真摯(しんし)に受け止め、改善したい」と話した。【梅山崇】

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