搬入されてきた燃料デブリの容器を、遠隔操作で取り出す作業を模擬した様子=茨城県大洗町の日本原子力研究開発機構大洗研究所で2024年8月20日午後2時44分、寺田剛撮影

 日本原子力研究開発機構は20日、東京電力福島第1原発事故で溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)を受け入れ分析する大洗研究所(茨城県大洗町)を報道陣に公開した。

 受け入れるのは高速実験炉「常陽」の隣にある照射燃料集合体試験施設で、数グラムが搬入される。搬入後は、被ばくを防ぐため遠隔操作で容器を開けたり、容器からデブリを取り出したりした後、非破壊分析が可能な電子顕微鏡を使って、デブリ内のウランの現状を調べる。

 また、別の電子顕微鏡を使ってデブリ内のウランの結晶構造を測ったり、溶かして化学的な分析をしたりする。機構は、デブリの硬さや再臨界の可能性の有無などが分かれば、事故を起こした原発の炉内の状況がより細かく分かり、廃炉作業の円滑化につながると期待している。

 搬入時期は未定だが、機構は今年度中に一定の研究成果をまとめるという。担当者は「与えられた分析を通じて結果を出し、廃炉に貢献したい」と話している。【寺田剛】

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