沖縄県保健医療介護部は16日、宮古保健所管内の保育園で腸管出血性大腸菌(O157)の集団感染が発生したと発表した。15日までに18人(園児15人、職員1人、感染者家族2人)の感染を確認し、そのうち4人に下痢や腹痛、発熱などの症状が出た。いずれも入院はしておらず、重症者はいないという。県によると今年の報告患者数は速報値で計34人となり、過去10年で最多になった。

 保育園は宮古島市内にあり、園児109人と職員36人が在籍。7月20日に保健所に3歳男児の感染届け出があった。保健所は園内での集団感染の可能性が高いと判断し、園児、職員全員と感染者家族の計184人を検査。15日までに182人の検体を回収し、医療機関での診断を含め計18人の感染を確認した。

 県によると食中毒が原因ではなく、園内で菌が広がったとみられる。現在のところ、他の保育施設などへの広がりはみられないという。

 O157は食品や感染者から経口感染する。腹痛や下痢、発熱の他、脳症などの重症な合併症を起こすこともある。潜伏期間は多くの場合3~5日だが、1週間以上の場合もあるという。県は、トイレ後や食事前の手洗い、下痢、嘔吐(おうと)した場所は消毒を徹底するよう呼びかけている。また、O157は食品からも感染するため、肉などの食材は十分加熱することや、生野菜はよく洗うよう注意喚起した。(社会部・大野亨恭)

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