能登半島地震で甚大な被害を受けた石川県能登町宇出津地区で20日、人形などで飾り付けた山車を引いて、子供たちが町を練り歩く「ちょんこ山祭り」が開かれた。復興への願いを込め、がれきやひび割れた道路が残る町中に祭りばやしと子供らのにぎやかな声が響いた。
「やっしょ、やっしょ」。太鼓やかねの音に合わせ、紫色の法被を着た子供たちが綱を引くと、重さ約50キロの山車がゴトゴトと音を立てて進んだ。ゆがんだ道路で一時立ち往生しながらも、大人たちに誘導され、ゆっくりと約3キロを歩いた。
能登地方はもともと、地域の祭りが盛んだったが、地震後、相次いで中止に。宇出津地区では巨大な山車を引く「曳山祭」が取りやめになったが、子供用の「ちょんこ山」を引く祭りは、時間を短縮して実施することになった。
企画した曳山祭実行委員会の伊勢実委員長(45)によると、住民から「全国から復旧作業などで支援してくれている人に元気な姿を見せて恩返しをしたい」などの声が上がり、準備を進めてきたという。
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