衆院東京15区補欠選挙(28日投開票)に出馬している無所属の元職、秋元司氏(52)は20日、東京メトロ豊洲駅前で街頭演説に臨んだ。秋元氏は自民党で現職を3期務めたが、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業を巡る汚職事件で実刑判決を受け、上告中の身だ。政党や政治団体の支援はなく、立ち止まる通行人も少ないが、秋元氏は「身に覚えないのない事件に巻き込まれた」と潔白を主張し、司法制度改革の必要性を訴えた。
秋元氏は3月、2審の東京高裁で懲役4年などの実刑判決を受けた。即日上告したが、国政選挙の候補者としては異例の刑事被告人の立場となる。
秋元氏は選挙カーの上で、事件について「これからの裁判で客観的な証拠を踏まえて必ず良い結果を生む」と主張。その上で「日本の司法には冤罪が多いという実態がある。裁判所の体質改善を行っていく。裁判官を選挙で選ぶのも一つだ。司法制度改革に正面から取り組んでいきたい」と語った。
教育制度改革にも言及し、「知識詰込み型から問題解決型に改めて、ゼロから答えを作り出す能力を身に着けないと国際社会で日本人は使われる存在で終わる」と訴えた。
秋元氏の選挙活動は、支援者らが手弁当で支えている、平成24年から地元活動を続けていただけに、秋元氏を見ると頭を下げる通行人の姿もあった。被告人の立場での出馬について、秋元氏は周囲に「デメリットだらけだ」とつぶやいた。
衆院東京15区補選は他に諸派新人の福永活也氏(43)▽無所属新人の乙武洋匡氏(48)=国民民主推薦=▽参政党新人の吉川里奈氏(36)▽日本維新の会新人の金沢結衣氏(33)=教育推薦=▽諸派新人の根本良輔氏(29)▽立憲民主党新人の酒井菜摘氏 (37)▽諸派新人の飯山陽氏(48)▽無所属新人の須藤元気氏(46)─が出馬している。(奥原慎平)
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