博多と韓国の釜山を結ぶ高速船『クイーンビートル』。浸水が起きたことを3カ月以上、隠して運航を続けていました。

運営主体の親会社であるJR九州は14日、会見を行いました。

JR九州・松下琢磨常務
「クイーンビートルは、現在、構造上はともかく、安全に対する意識と体制ができていない。8月13日から、大変、お客さまには申し訳なく思っていますが、当面の間は運休させる」

運休により、取り消された予約は、2万2000席に上っています。

クイーンビートルの船首部分に最大で736リットルの浸水があるのを隠したまま、3カ月以上も運航を続け、法律で義務づけられている検査や修理、国への報告を行っていませんでした。

浸水を検知する警報センサーは、位置をずらして作動しないようにしており、国土交通省の抜き打ちの監査があるまで、不正は隠され続けていました。

JR九州・松下琢磨常務
「設備不具合とか記載するのが、メンテナンスログでございます。こちらに記載せずに、別途“表に出ない形”で、浸水に関する管理簿を作成していたことがわかっております。非常に不誠実な取り扱いを行っております。重大な問題だと思っておりまして、『事業を継続する資格があるのか』と声をいただくとこともあると思います」

博多港と韓国の釜山を3時間半でつなぐ高速船は、1991年に就航しました。

韓流ブームの風もあり、多角経営を目指すJR九州の重要な事業の1つでした。しかし、運用しているのは、現在、新型のクイーンビートルの1隻だけ。しかも、就航以来、たびたびトラブルが起きてきた1隻になります。

そんななか、行われた隠ぺい。指示したJR九州高速船の田中渉前社長は「浸水は運航停止につながる重大な問題」と認識していたそうです。

JR九州・松下琢磨常務
「構造的かどうかは、なかなかわからないところです。ですけど、クラックが複数回にわたって発生したということは、やはり課題というか問題点があると認識しています」

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