四国電力伊方原発=愛媛県伊方町で2024年4月18日午前9時4分、本社ヘリから加古信志撮影

 日向灘を震源とする8日のマグニチュード(M)7・1の地震を受け、大規模地震の発生可能性が相対的に高まっているとして、気象庁が「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表した。原発や原子力行政に関わる機関はどう対応するのか。

 原子力規制庁はこの日、全国の原発事業者にメールで注意喚起し、防災態勢を確認するよう求めた。

 規制庁によると、南海トラフ地震関連の情報が発表された場合、委員長の判断で事故警戒本部を設置するが、今回はその必要はないと判断し、設置しなかった。

 原子力防災を担う内閣府は、原子力災害対策指針に臨時情報について明記されていないため、内閣府として対応する基準はないと説明した。

 各原発ではどうか。

 規制庁によると、各原発の運転管理を定めた「保安規定」では、停止する基準は、実際の揺れがあった場合だけだ。臨時情報だけで運転停止を定めた事業者はない。ただ、事業者によっては、運転の対応を「検討する」としている原発はあるという。

 四国電力は、震度4を観測した愛媛県伊方町の伊方原発について、「地震動190ガル(水平)で自動停止することになっている」とし、事業者判断で運転を停止することはないと説明した。

 臨時情報への対応については「注意・警戒が出た場合、発電所では非常体制を敷いて情報収集や連絡網の強化を実施することになっており、マニュアルに従って対応している」とした。

 南海トラフ地震の震源域に浜岡原発がある中部電力は「社内マニュアルに従い、『注意』を受けて警戒態勢を強化している」と説明した。【高橋由衣、木許はるみ】

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