偽造した運転免許証などを使って契約したクレジットカードでスマートフォンなどを購入して転売したとして福岡、愛知両県警の合同捜査本部は6日、20~30代の男性12人を詐欺や偽造有印公文書行使などの容疑で逮捕したと発表した。郵送されたクレジットカードを受け取るため、空き物件を福岡や愛知、大阪、神奈川など2府7県で計600件以上リスト化して共有していた。スマホの転売額やカードの不正利用額は、少なくとも計約1億6800万円に上るという。
逮捕されたのは大阪市中央区、職業不詳、石川剛樹被告(31)=詐欺罪などで起訴=ら。グループは緩やかに結び付き離合集散する「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」とされ、免許偽造などを担う「内勤」と、カードの受け取りなどを担う「外回り」などに分担されていたという。福岡県警は12人の認否を明らかにしていない。
福岡県警によると、内勤役は不正に入手したIDやパスワードを使い、会員制不動産サイトで空き物件を検索。外回り役らの顔写真を使って運転免許証などを偽造し、インターネット銀行で開設した口座にひも付けしてクレジットカードを契約していた。契約されたカードは500枚以上、確認されている。
外回り役は空き物件を下見し、管理人やオートロックの有無などを確認。空き物件に送らせたカードは、偽造された免許証を示して配達員から受け取るなどしていた。スマホの購入や売却も外回り役が担い、2023年4月からの1年間で9500万円以上を得ていた。更に、グループでカードの限度額まで買い物を繰り返し、23年3月~24年4月に約7300万円を不正利用していたという。【栗栖由喜】
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