事件関係者の実名や捜査状況をまとめた資料を外部に漏らしたとして、地方公務員法(守秘義務)違反罪に問われた元鹿児島県警巡査長藤井光樹被告(49)に、鹿児島地裁は5日、懲役1年、執行猶予3年(求刑懲役1年)の判決を言い渡した。情報提供で記者の信頼を得ることが主な動機だったとして「漏えいを正当化できるものではない」と判断した。
藤井被告は7月の初公判で、速やかな捜査書類廃棄を促す内部文書も併せて漏えいしたとし「警察組織を変えたかった」と主張。性的暴行を受けたとして女性看護師が告訴した事件で、捜査の在り方に疑問を抱いたことも理由の一つだと訴えていた。
松野豊裁判官は判決理由で、100事件以上ある流出情報の大部分が、事件への疑念や警察組織への不満とは直接関連しないと指摘。捜査資料や証拠品への警察の対応などが一要因とみられると認める一方、「即断や思い込みにより、疑念や不満を募らせた側面が小さくない」と述べた。
被告は判決後の取材に控訴しない意向を示した。(共同)
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