愛知県蒲郡市の東海道新幹線豊橋―三河安城間で7月22日に保守用車両同士が衝突、脱線した事故で、JR東海は5日、追突した保守用車両のブレーキ部品の一部が摩耗し、使用停止すべき状態に達していたことが事故原因だと明らかにした。作業前にブレーキ力の確認をしていなかったため、不具合に気付かなかったという。
JR東海によると、追突したのは線路下に敷き詰める砂利を運ぶ「砕石運搬散布車」(9両)。普段は作業前にブレーキ力の数値が正常かどうかを確認しているが、この日は作業員が確認を省略していたという。
事故後にこの車両を調べたところ、車輪にブレーキをかける制輪子の摩耗が進んでおり、使用停止すべき状態だった。このため、急勾配で非常ブレーキがきかず、停車していた別の保守用車両に衝突したという。
名古屋市で記者会見した新幹線鉄道事業本部の福島誠志・保線課長は「(確認を)省略することはあってはならない」と陳謝。再発防止策として、ブレーキ力の確認や、保守用車両の使用に関するルール順守を徹底するとした。
この事故の影響で上下線328本が運休し、約25万人に影響が出た。【真貝恒平】
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