群馬県庁=前橋市で

 新型コロナウイルスの感染拡大後、ワクチン接種が始まった2021年2月から無料接種が終了した24年3月までに、群馬県民が計693万1280回のワクチン接種を受けたことが19日、県のまとめで判明した。1人あたりの回数は0~7回とばらつきがあるが、3月1日現在の人口(189万4824人)で1人あたり3・65回以上の計算になる。一方で国の制度変更や期限切れに伴い、県内で廃棄されたワクチンは約86万8000回分に上った。

 県内では20年3月に初の感染者を確認。最初のワクチン接種は21年2月、高崎、渋川両市で医療従事者向けに行われた。当初はワクチン不足が全国的な課題だったが、次第に供給が回復し、高崎市などに大規模な県営ワクチン接種センターも設置した。

 県によると、全県民の8割超が2回以上接種し、約7割が3回以上接種した。23年9月以降、オミクロン株派生型に対応した改良型ワクチンの接種率は県内で24・59%(全国22・7%)で、うち65歳以上は55・2%(同53・71%)。初期も全国平均を上回っており、全体でも全国平均以上とみられる。

 ただ、国庫負担で購入・供給されたワクチンは廃棄も相次いだ。県内では23年9月までにモデルナ社製を中心に期限切れで約17万4000回分が廃棄された。同月には改良型ワクチンの導入を理由に国が従来型ワクチンの一斉廃棄を決め、約54万7000回分を廃棄。24年3月末には公費の無料接種が終了し、国は有効期限前でも速やかに廃棄するよう自治体に求めたため、県内で14万7011回分を廃棄した。

 県感染症・疾病対策課の担当者は「希望者の予約を受け、感染拡大時に対応するためには一定の在庫が必要だった。国庫負担のワクチンを有効活用したいと対応したが、期限切れや制度変更後に流用できないとの国の指示で廃棄せざるを得なかった」と話している。【田所柳子】

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