署名偽造事件の判決を受けて当時を振り返る河村たかし名古屋市長=同市東区で2024年4月19日午後6時1分、川瀬慎一朗撮影

 大村秀章・愛知県知事の解職請求(リコール)運動を巡る署名偽造事件で、署名団体の事務局長を務めた田中孝博被告(62)が有罪となったことを受け、署名活動を支援してきた名古屋市の河村たかし市長は報道陣の取材に「とんでもないこと。わしも偽造を知らなんだし、ちゃんと熱心にやってくれた方に申し訳ない」と話し、近く事件について独自調査した報告書を公表する意向を示した。

署名偽造事件の判決を受けて報道陣の取材に応じる河村たかし名古屋市長=同市東区で2024年4月19日午後5時59分、川瀬慎一朗撮影

 署名偽造の発覚後、河村市長は一貫して偽造に関する自身の関与を否定してきた。ただ、田中被告は法廷で多くを語らず、河村市長が“潔白”であることも明らかにされなかった。この点に質問が及ぶと「いろいろしゃべられると困る人がいるのか知りませんが、真相を全て話してほしかった」と語った。

 大村知事は判決後、河村市長に説明責任があると指摘したが、河村市長は「自分の関与は全くなかったことをリポートにして会見で示したい」と説明した。

 同じく大村知事から説明責任を問われたのが日本維新の会だ。田中被告はリコール運動当時、同党衆院愛知5区支部長を務めていた。愛知維新の会の山下幹雄幹事長は取材に「組織的関与は全くないが、支部長として選定した者が有罪判決を受けたことは遺憾だ。今後は支部長選定の際にはより慎重に審査したい」と話した。【川瀬慎一朗】

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