秋田県沖では今回の豪雨によって見慣れない観光船や大量の流木が立て続けに漂着し、地元では除去作業に追われている。片付けた後にさらに流れ着き、関係者は「こんな規模は見たことがない」と驚いている。
同県にかほ市の金浦漁港。1日午前に訪れると、重機が港に押し寄せた流木を岸壁に取り出す作業が続いており、港には木が山積みになっていた。また港の奥の海上には、漂着した木片やごみなどが浮かんでいた。
地元にある県漁業協同組合南部支所の宮崎仁志業務課長(55)によると、漁港には7月26日から漂着物が目立ち始めた。27日にはさらに増え、漁船が漁に出られなくなった。現在は天然の岩ガキの素潜り漁が盛んだが、「しばらくは出られないかもしれない」という。
宮崎さんは「今の時期は南西の風もあり、山形からの漂着物が来ているのだろう」と話す。これまでにも最上川流域で強い雨が降った数日後に木などが流れ着いたことはあったが、今回は過去に例のない多さだという。
漁港の一角には「第1もがみ丸」と船体に表記された船が係留されていた。座席などはそのまま残っているが、内部は破損していた。最上峡芭蕉ライン観光(山形県戸沢村)によると、所有する16隻のうち第1もがみ丸を含む11隻が大雨で流出し、一部は行方が分かっていない。
一方、最上川の河口から約70キロ北に離れた秋田市の下浜海水浴場付近でも、最上川舟下りに使う1隻が打ち上げられているのが確認された。秋田海上保安部によると、30日に把握し、その後、同社所有の「第13芭蕉丸」(8・5トン)と確認された。秋田海保の担当者は「秋田市内の川から流れたものが打ち上げられることは通常考えられるが、最上川のものが確認されるのは非常に珍しい」と話している。【工藤哲】
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