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 富士山頂近くで弾丸登山をしたとみられる120人ものグループの姿が撮影されました。山梨県は規制内容の強化について議論する考えを示しました。

■ご来光を見るために時間調整か

危険な“弾丸登山” この記事の写真

 真っ暗闇の中、野外で横たわって休む多くの人たち。今月21日の深夜0時すぎ、富士山の9合目にある山小屋前で撮影された映像です。彼らは危険な弾丸登山を集団で行った人たちだとみられます。

何もかぶらず体を小さく丸めるだけ

 保温性の高いアルミ製のシートにくるまっている人もいれば、何もかぶらず体を小さく丸めるだけで横たわっている人もいます。

 聞こえてくる声は、日本語ではありません。

9合目に120人野宿 9合目にある「万年雪山荘」 渡辺和将代表
「120人前後がグループで登山していた。初めから(山小屋に)泊まる予定ではない。もしそうなら初めから小屋の予約をしていると思う。迷惑どころか当人たちにも危険が及ぶので、どの程度その危険性を理解されているか非常に疑問」

 禁止が呼び掛けられている弾丸登山を強行した国籍不明のグループ。彼らがこの場所で休んでいた理由は…。

時間調整か 富士宮口ガイド組合 水本俊輔代表
「ご来光が山頂で見える時間が午前4時半くらいになるので、そこで時間調整をしている感じ」

 撮影時、天気は晴れていて風も少なかったといいます。しかし、山の天気は変わりやすいのが常です。

水本代表「(動画の)最後の方に雷が映っている」 水本代表
「(動画の)最後の方に雷が映っている。こういうふうに野外で休憩をとると落雷の危険性がある」

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■山梨県 規制見直しの議論へ

■山梨県 規制見直しの議論へ

 さらに山頂付近の7月、最低気温の平年値は2.8℃。医師は富士山特有の気温の変化に注意が必要だと指摘します。

富士山特有の気温の変化に注意 山岳医療救助機構 大城和恵国際山岳医
「一番怖いのは低体温症。標高差の大きい富士山は日中、汗をかいて熱中症みたいになって、そのまま上に行くと低体温症になる。最悪は亡くなってしまう」 山梨県側の規制

 山梨県側では、今年から5合目の登山道のゲートを午後4時に閉鎖するなど規制をもうけています。

 こうした規制に一定の成果が見られる一方で、山梨県知事は、さらなる規制の見直しについても議論する考えを示しました。

規制見直しの議論へ 山梨県 長崎幸太郎知事
「山小屋の予約もない中、(ゲートの閉まる)午後4時に来て頂上まで行って戻って、これは弾丸登山になるのでは。準備不足の人の通行を断るようなことも、これは条例が必要かもしれないが、このようなことも方策として考える必要がある」

(「グッド!モーニング」2024年7月27日放送分より)

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