海女姿の女性たちがたいまつを手に夜の海を泳ぐ「海女の大夜泳」が20日、千葉県南房総市白浜町白浜の野島漁港であった。能登半島地震で被災した石川県輪島市の海女、早瀬千春さん(54)も参加。地元の海女や一般公募で集まった女性たち約80人と輪になって泳いだ。
「第60回南房総白浜海女まつり」(20~21日)のメイン行事で、遭難した船から投げ出された乗組員を海女たちが夜を徹して捜索したことにちなんで始まったとされる。午後8時20分すぎ、海女着姿の女性たちがたらいにつかまり、次々と漆黒の海へ。白装束と燃えさかるたいまつが織り成す幻想的な光景が夜の海に広がった。
早瀬さんは、輪島市で復興支援活動に取り組むNPO法人の招きで初めて大夜泳に参加した。輪島の海女漁は国の重要無形民俗文化財に指定されているが、地震による海底隆起や漁具の損失などで約130人いる海女たちは、漁に出られない状況が続いているという。自身で作った黒のウエットスーツで泳いだ早瀬さんは「支援してくれた皆さんへ、私にできるかたちでお礼を伝えたかった」と話した。【岩崎信道】
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