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 札幌市で嫌がらせ行為を繰り返し、近所に住む女性にPTSD=心的外傷後ストレス障害を発症させた疑いで、56歳の男が逮捕されました。この男の嫌がらせは3年間で440回。女性は「心が限界だ」と訴えています。

■今回の逮捕で4回目

被害に遭った女性
「平穏に家族で過ごしたいです。本当にもう普通の幸せでいいので取り戻したいんです」

 17日夜、涙ながらに番組の取材に語ったのは、札幌市に住む40代の女性です。

 女性の家に設置されている防犯カメラの映像です。画面上から車がやってきて、降りてきた男。男は手にビラのようなものを持ち、カメラに向かって叫びだします。

傷害容疑で逮捕された 片倉英智容疑者(56)
「回覧板に書いていますよ。ゴミステーションは町内会員の専用です。ゴミを乱暴に捨てないでください」
(※注:被害者家族は町内会に入っています) 被害に遭った女性 この記事の写真 被害に遭った女性
「家族のためにって頑張ったんですけど、もう私の心がもう限界で…」

 3年にわたり、執拗(しつよう)な嫌がらせを繰り返し、女性にPTSD=心的外傷後ストレス障害を発症させた傷害の疑いで、片倉英智容疑者が16日に逮捕されました。

 片倉容疑者は、これまでにもこの家族に嫌がらせを続け、今回で4回目の逮捕となります。

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■罵声や大音量の音楽、クラクションで嫌がらせ

■罵声や大音量の音楽、クラクションで嫌がらせ

 片倉容疑者が女性の家に向かって罵声を浴びせます。

罵声 片倉容疑者
「なんとか言えよ!黙っていないで!!日本語分からねぇのか、おい!おい!!なんで腕組んでこの野郎!!本当に頭にくる」
「頭おかしいじゃねぇか。草とび出てるぞ、くそ女」

 またある時は、女性の家に向け、車から大音量の音楽を流したり…。

クラクションを鳴らしながら通り過ぎる車

 今年1月には、女性がドアを開けて外に出た瞬間、片倉容疑者がクラクションを鳴らしながら、女性の家の前を通り過ぎていきます。女性は一瞬、後ずさりをして呆然と立ち尽くしていました。

 また別の日の夜、家族が車で帰ってくると、片倉容疑者が車で近づいてきます。そして、夜の住宅街にクラクションが鳴り響きます。

近隣女性「待ち伏せするようになって」 被害に遭った女性
「(私たちが)帰ってくる度に、片倉容疑者がいつもハイビームを我が家の玄関カーポートを照らし続けて、ずっと待ち伏せするようになって」

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■チャイム86回連打の一部始終

■チャイム86回連打の一部始終

 片倉容疑者による嫌がらせは、これだけではありません。

 去年10月の午前3時半、白い服を着た片倉容疑者が近づいてきます。女性宅の前にくると立ち止まり、急に何かを地面に投げつけます。それを拾って口元へ…。投げたのは「たばこ」でした。

火のついたたばこを地面に投げつけ

 そして再び地面に投げつけます。映像からも火花が散っているのが分かります。そして再び拾うと、女性の家を見ながらたばこを吸い、火のついたまま女性の家に投げる素振りをして地面にまた投げつけました。

チャイムを連打する男

 朝8時に片倉容疑者が女性の家の玄関に向かって歩いてきます。右手で持つ紙で、顔が防犯カメラに映らないように隠しています。そして玄関のチャイムを連打します。最後に持っていた紙でドアをたたいて去りますが、3分後に再び現れ、またチャイムを連打します。

 先ほどまで紙で顔を隠していましたが、今度は隠すそぶりもなく、ひたすらチャイムを連打し続けます。その回数は86回だったといいます。

 さらに、車に向かってつばを吐いたり。また別の日には、車のハイビームで長時間、女性の家を照らし続けていました。

女性の家にだけ嫌がらせ

 近隣住民によると、片倉容疑者は女性の家にだけ嫌がらせ行為をしているといいます。

被害に遭った女性
「他の家族を見たりとかしたら、なんか幸せそうでいいなと思ったりとか。羨ましくなるというか、こんなふうに生活を今までしてたのになって」

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■きっかけは3年前 何が?

■きっかけは3年前 何が?

 女性の家族は8年前、この家に引っ越してきました。

8年前に引っ越してきた家族 被害に遭った女性
「一軒家で、子どもたちをとりあえずすくすく育てたかったので。幸せな家庭になりたいと思って、私たちは夢のマイホームを建てた。建てました」

 引っ越してきた当初は平穏で、そして平和な日々を送っていました。

被害に遭った女性
「(Q.3年前、男との関わりは?)(関わりは)一切なくて、その人が(近くに)住んでいたことさえ知りませんでした」

 しかし3年前、自宅の前の道路にかかる形で、一時的に車を止めていたところ男が突然、やってきたといいます。

車を止めていた場所 被害に遭った女性
「もともとは私有地道路と私たちの敷地にまたいで(自分たちの)車を止めていたことでした」
「罵声を浴びせてきて、(私が)ここ駐車違反でもないし、一時的に止めてるだけだからっていう話をしてるんですけど、もう全然話にならないような罵声をずっと浴びせてきて…」

 ここから生活が一変しました。

被害に遭った女性
「『お前ら頭おかしいんじゃないのか。引っ越せ』『なんで俺の言うこと聞かねえのよ』『お前ら家族頭おかしいんじゃないか』っていうのが、もうずっとずっと言われ続けて…」

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■矛先が8歳の娘に向かうことも

■矛先が8歳の娘に向かうことも

防犯カメラを設置

 連日のように繰り返される嫌がらせ。やむを得ず自宅に防犯カメラを設置しました。すると、そのカメラに対しても文句をつけてきたといいます。

カメラに対しても文句 片倉容疑者
「カメラ、バカバカつけやがってよ!俺の知人、誰も来なくなったぞ!この野郎!俺の同級生、誰も来なくなったぞ!その(防犯)カメラのせいでよ!」

 矛先が8歳の娘に向かうこともありました。祖父に連れられ、娘が家に帰ってきた時も、片倉容疑者が罵声を浴びせながら近づいてきました。その様子を娘は黙って見つめています。

 すると祖父は携帯電話で警察に通報しながら、娘へ家に入るように促します。走って家へと向かう娘。すると…。

片倉容疑者
「おい!帰れクソガキ!コノヤロー!おい!」 被害に遭った女性
「娘が泣きながら家に入ってきて。『お母さん、お母さん』って言って…」 被害に遭った娘
「クソガキっていつも言われて、怖くていつも泣いちゃう」 片倉容疑者
「人ん家に飛び出てるぞ、草!草刈れ!返事しろよコノヤロー!返事しろよオラ!」 駆け付けた警察

 その後も罵声を浴びせ続ける片倉容疑者。通報を受け、駆け付けた警察が、何やら片倉容疑者と言葉を交わしながら歩いてきます。

被害に遭った女性
「でも警察も、その都度注意はしてくれているんですけど、あの人は全然もう警察の言うことも聞かないし」

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■片倉容疑者は容疑を否認「していない」

■片倉容疑者は容疑を否認「していない」

 そんな絶望的な状況が続く中、女性の身にある異変が起きたといいます。

被害に遭った女性
「何もやる気なくって、もうなんか子どもの相手もしてあげられなくなって。さすがにやっぱり私、変だなって思って病院に通いました」

 女性はPTSD=心的外傷後ストレス障害と診断されました。そして16日、傷害容疑で逮捕された片倉容疑者。今回で4度目の逮捕となります。警察の調べに対し、容疑を否認しています。

片倉容疑者
「叫んだり、威嚇したりはしていない」 容疑を否認

 女性のPTSD発症についても、「私のせいではありません」と供述しているといいます。

被害に遭った女性の思い 被害に遭った女性
「絶対に私は許しません。絶対にあの男を一生恨み続けます。私たち家族をボロボロにした男を一生恨み続けます。ほんと、ひたすら悔しい。悔しいです。ほんともう悔しいですけど、もうどうしようもなくて。もう私の心が限界です。結局こういう人はすぐ帰ってくるし、次は殺されるんじゃないかっていう恐怖感は常に抱いていましたし。こういうのを取り締まれる日本の法律があったら、私もこんな3年間で自分の心を痛めるようなこともしないで、家族と幸せに生活することがもっと早く、早くからできたんじゃないかなって本当思います」

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年7月18日放送分より)

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