岐阜県瑞浪市のリニア中央新幹線のトンネル工事現場付近で井戸の水位が低下した問題を巡り、問題公表前の会合で、JR東海の担当者が「多大な費用と時間を要するため、詳しい原因調査は考えていない」などと県や市に説明していたことが16日、県への取材で分かった。公表後、地元住民から不安の声が上がり、JRは工事を中断。地質を詳しく調べるためのボーリングなどを実施する方針を示した。

 県によると、5月14日に開かれた県や市の幹部との会合で、同社の担当者が発言した。会合で担当者は「工事を止めたからといって水位低下が収まるわけではない」とも述べ、工事継続を優先する姿勢を示していた。

 5月14日の夜以降、報道各社が水位低下問題を報じた。周辺には稲作農家もあり、住民からは原因究明を求める声が上がった。JRは同月17日に工事を中断した。

 同社は「もともと原因を調査していく考えはあった。どういう発言があったか詳細には確認できないが、工事優先という考えではない」と説明している。

 瑞浪市の現場では、トンネルの掘削中に湧水が発生。(共同)

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