兵庫県知事がパワハラなどの疑惑を内部告発された問題。告発した男性が自殺したとみられることが分かりました。

■告発者死亡…職員「真実明らかに」

 9日予定されていた知事の公務が一部、キャンセルになりました。

 このことが関係しているのでしょうか。

兵庫県 斎藤元彦知事
「元局長が亡くなられたことについて大変、心からショックを受けています。心からお悔やみを申し上げたい」

 亡くなったのは、内部告発をしていた兵庫県の元西播磨県民局長の男性(60)。関係者によると、自殺したとみられています。

兵庫県 斎藤元彦知事
「百条委員会に19日に証人として出廷されるということですから、心理的なご負担というものはあったというふうに推察します」

 元局長が告発していたのは、斎藤知事によるパワーハラスメントなどです。19日、県議会の百条委員会で証言を予定していました。

県職員
「(元局長は)職員を思い、県民を思い。包容力のある、皆がついていきたいと思う方でした」
「ちゃんと元県民局長の無念が晴れたらいいなと思って。真実が明らかになってほしい」

 兵庫県議会において、強い調査権を持つ百条委員会が設置されるのは51年ぶり。

 ここに至るまでには、紆余曲折がありました。

■膨らむ疑惑 発端は3月

 3月の末、兵庫県は異例の人事を発表しました。それは退職直前の西播磨県民局長だった男性の退職を認めず、懲戒処分を検討するというものでした。

 理由について、知事は当時。

兵庫県 斎藤元彦知事
「事実無根の内容が多々含まれている内容の文書を、しかも業務時間中なのに嘘八百含めて文書作って流す行為は公務員として失格ですので」

 知事が「事実無根」「嘘八百」とした文書は、元局長が報道機関や県議などに送っていたものです。

 知事の会見後、元局長は文書は内部告発であると反論し、調査を求めました。

 これに対し、県が行ったのは第三者によらない内部調査。

 結果、文書は核心的な部分が事実ではなく、誹謗(ひぼう)中傷だとして元局長を3カ月の停職処分としました。

 ただ、1人の県議が自主的に実施した県職員へのアンケートでは「知事のパワハラ気質は事実」「職員に対して高圧的」「チラシに自分の写真がないと怒り―」。

 議会も内部調査では不十分だとし、第三者機関による調査を要望。県も調査を表明しましたが。

■百条委で調査続く中…告発者死亡

 3年前の知事選で日本維新の会とともに斎藤知事を推薦した自民党が、さらに罰則規定のある百条委員会の設置を求める動議を提案したのです。

 百条委員会の設置を受けた知事は。

兵庫県 斎藤元彦知事
「業務上、必要なものとして厳しく指導することはありました。ハラスメントに該当する認識はないということですから」

 一方、亡くなった元局長は百条委員会の委員長にメールを送っていたといいます。

百条委員会委員長 自民党 奥谷謙一県議
「(百条委員会の設置で)『ご尽力感謝します』という内容のメールが来たと記憶しています」

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