水中エレベーターから海中に出るダイバー(海上自衛隊提供)

 海上自衛隊の複数の隊員が、潜水作業に従事した隊員に支給される手当を、実際には潜水していないのに不正に受け取った疑いがあることが9日、防衛省関係者への取材で分かった。不正受給の総額は数千万円に上るとみられ、海自は近く数十人を処分する方針。海自では不祥事や疑惑が相次いで表面化する異常事態となっており、批判が高まるのは必至だ。

 海自では、潜水艦の修理契約に絡み、川崎重工業が裏金を捻出し、乗員に金品などを提供していた疑いが浮上。木原稔防衛相が「特別防衛監察」の実施を表明した。

 防衛省

 特定秘密の取り扱いについてもずさんな運用が複数確認され、海自トップの酒井良海上幕僚長が引責辞任の意向を示しているとされる。

 政令では、任務や訓練のため器具を着用するなどして潜水した場合、深さに応じて手当を支払うと規定。「飽和潜水」で450メートルまで潜ると、作業1時間につき1万400円が支払われる決まりだ。

 防衛省関係者によると、複数の海自隊員による手当の不正受給は数年に及ぶとみられ、常態化していた疑いがある。(共同)

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