関西電力高浜原発の(左から)3号機、4号機=福井県高浜町で2022年3月12日、本社ヘリから北村隆夫撮影

 2025年に原則の運転期間40年を迎える関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)について、福井県は9日、関電に20年間の運転延長を容認する考えを伝えた。関電は、5月に原子力規制委員会から最長20年の運転延長を認可され、今回地元自治体からも認められたことで、運転延長に向けた環境が整った。

 40年を超えて稼働している原発は現在、高浜1、2号機と関電美浜3号機(福井県美浜町)、九州電力川内(せんだい)1号機(鹿児島県薩摩(さつま)川内市)の計4基。高浜原発は来年以降、稼働する4基全てが40年超運転となる見通し。

 福井県の中村保博副知事はこの日、県庁で関電の水田仁・原子力事業本部長と面会。「(高浜3、4号機の)40年超運転に関しては理解を示すこととしたい」などと述べ、運転延長を容認する考えを表明した。

 原発の再稼働を巡っては、地元自治体は電力各社と安全協定を結んでおり、自治体の同意が事実上、必要になっている。一方、運転延長では自治体の同意は必須となっていない。

 その中で、関電は運転延長でも地元自治体の意向を尊重する方針を掲げていて、高浜町の野瀬豊町長は6月18日に容認する考えを示していた。

 高浜3号機は25年1月、4号機は同年の6月に運転開始から40年になる。このため、関電は11年の東京電力福島第1原発事故後にできた制度に従って、23年4月に規制委に運転延長を申請していた。

 ただ、23年に成立したGX(グリーントランスフォーメーション)脱炭素電源法が定める新たな制度では、60年を超えた原発も運転できる。この法律は25年に施行されることから、関電が高浜3、4号機の運転を続けるためには、規制委と経済産業相の認可を改めて受ける必要がある。【柴山雄太】

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