この週末、熱中症の疑いで救急搬送される人が相次ぎました。

■搬送続々 早朝〜午前中にかけ熱中症に…

 各地で災害級の暑さとなったこの週末、7日に最高気温37.8℃を記録した埼玉県熊谷市。この病院では、午前中から熱中症患者の救急搬送が止まりません。

医師
「どんな感じですか?気持ち悪いとか、吐き気がするとか、だるいとか」

70代女性
「ちょっと、めまいがしそうな。今しそうな感じで…」

 女性は午前3時に暑さで目が覚めのどの渇き、めまいなどの症状が続いたため、救急車を要請。自宅での夜間熱中症と診断されました。

医師
「結局エアコンはついているんですか、夜」

女性
「はい、ついてます」

医師
「ずっとつけてた?一晩中」

女性
「ちょっと切れちゃったときがあった」

 処置を行い症状が回復に向かっていると、間を置かずに来る患者に緊迫感が増します。

医師
「次の救急車来た?そっちも熱中症ですか」

 先に来ていた救急車が病院から出る前に、さらに別の救急車が来ます。患者が続々と運ばれてきます。

医師
「1台もう入ってるから、奥の部屋。今、1台あっちに行ったんだ。じゃあ(処置室)使えるかな。じゃあ右使っていいですよ」

 7日、この病院に搬送された熱中症患者は全部で5人。そのうち、3人が午前中の搬送と、早朝から午前中にかけて熱中症になった人が多くいました。

■熱中症で「3リットル以上の点滴」

 都内のクリニックでも…。

いとう王子神谷内科外科クリニック
伊藤博道院長
「朝の9時くらいから電話が殺到して。10時、11時からの段階で、複数名の熱中症の患者が駆け込んでくると。午前中に熱中症の患者がきょうは集中していました」

 都内では午前9時には気温が30℃を超え、午前中から患者がクリニックに殺到。熱中症と診断された6人のうち5人が、午前中に受診していました。

伊藤院長
「いずれにしても点滴…」

スタッフ
「熱中症…」

伊藤院長
「熱中症?何歳?」

スタッフ
「5歳です」

伊藤院長
「すぐ来て!」
「熱中症が相次ぎますね」

 重症に近い熱中症で、5歳の男の子が来院。

伊藤院長
「意識がもうろうとして、けいれんや嘔吐(おうと)、頭痛、全然水分も取れない。経口補水液も吐いてしまう。かなり顔色も悪くて、脱水、ショックに近い状態で」

 男の子は、かなり危険な状態だったといいます。目はうつろで、焦点が合っていません。

スタッフ
「ちょっとがんばるよ、えらいね」
「がんばれ、がんばれ!えらいね!」

 点滴を打って回復を待ちます。しかし、なかなか状態が戻らず点滴での治療が続きます。

伊藤院長
「もうちょっとやろう。もう本当に一番大事なんで、この点滴で治すっていうのが。もうちょっと点滴しましょう」

 結局、3リットル以上の点滴を行いました。そして、来院してからおよそ5時間後…。

男児の母
「ありがとうございました。だいぶ症状良くなりました」

伊藤院長
「利尿がついたのと、顔色も大丈夫かな。よかったね」

男児の母
「よかったね」

 無事、回復。家に帰ることができました。

伊藤院長
「本当にひやひやしました。今期の中では、熱中症の一番ピークの時期に早くもなっていると感じて」

 7日、都内では午後9時の時点で202人が熱中症の疑いで救急搬送。夏本番前に、すでに災害級の暑さとなっています。

■マンホールから…激しく“噴水”

 視界がかすむ激しい雨と響きわたる雷鳴。各地で猛暑日となるなか、6日、東京都心は「ゲリラ雷雨」に見舞われました。

 午後3時から6時にかけて、関東で相次いで雷が発生。窓ごしに見える大粒の雨。次の瞬間、ビルに向かって走る稲光。その直後、辺りに雷鳴が響き渡ります。

 「ゲリラ雷雨」の稲光が、都心の空を切り裂きました。集中的に降った雨に排水が追い付かず、渋谷駅近くではマンホールから雨水が高く噴き出します。アンダーパスも冠水し、車が立ち往生。一時、通行止めとなりました。

 さらに、排水溝の上に10センチほど水がたまってしまっています。渋谷川・古川には氾濫危険情報が発表。いつもはほとんど水が流れていないのですが、速い速度で水が流れてきます。

 悲鳴を上げながら親子3人が、一つの傘に入って歩いていきます。突然の雨に、渋谷駅は雨宿りをする人であふれていました。

 エレベーターには、雨水が滝のように流れ落ち、入り口をふさいでいました。

■阿波踊りも中止…新幹線も停止

 台東区の七夕まつり会場も激しい雨に襲われ、祭りを楽しんでいた人たちは一斉に軒下に避難。強い雨に打たれ、七夕飾りが地面に落ちています。ゲリラ雷雨で、祭りのプログラムが一部変更になりました。

 品川区の戸越銀座商店街では、小雨が降るなか阿波踊りが行われていました。しかし1時間後、激しい雷が鳴り響き、阿波踊りは急きょ中止になりました。

 その直後、急に雨脚が強まり、視界は真っ白に。打ち付ける雨の中にはひょうのようなものも混じっています。

 店じまいする軒先から滝のように水が流れ落ちます。

 この週末、暑さで大気が不安定になり各地を「ゲリラ雷雨」が襲いました。この「暑さ」に、さらにトラブルが重なる事態も起こりました。

 新幹線の車内から撮影された映像では、線路上で懐中電灯の明かりを照らし、確認作業を行っている様子が映されています。6日正午すぎ、東海道新幹線の静岡駅と掛川駅の間で「のぞみ12号」が停車。乗客は空調が止まった車内に、3時間近く閉じ込められました。

 止まった車両に乗り合わせた人は、こう話します。

停車した新幹線に乗っていた女性
「電車止まると同時に電気が暗くなって、空調も止まって、そのあと停電してますみたいなアナウンスがあって。トイレが今停電なので使えませんっていうアナウンスがありました」
「どんどん暑くなっていく感じで、私的には軽いサウナみたいな感じだったんですけど。汗もすごい出てくるし」

 猛暑の中で発生した新幹線の停電。列車のパンタグラフが原因とみられています。

■「これが7月だから驚き」

 群馬県前橋市で開催された「前橋七夕まつり」。様々な屋台が並ぶなか、行列ができていたのはかき氷の屋台です。みるみるうちに列が長くなっています。

かき氷を買った家族
「暑さやばいですね」
「年々暑くなってきているので、(外に)出るのもね。考えちゃいますよね」

 強い日差しをさけるため、頭からタオルをかぶる人、うちわであおぐ人、暑さ対策も様々です。地元の夫婦は…。

地元の夫婦
「(Q.首に巻いているものは?)きのう買いました」
「冷やして巻いておくやつです」
「きょうのお祭りのために買いました。とんでもない暑さですね、これが7月だから驚きですよね」

 熱中症対策にと用意されたミストの前では、子どもたちが大はしゃぎ。

地元の家族
「直射日光を浴びると、ちょっと厳しいかなってくらい暑いかなって気がします」
「(Q.お父さんは日傘?)そうですね。子どもでも一緒に入れるように。日傘がないと、ちょっとつらいので持っています」

 自分だけでなく、子どもを守るための日傘だといいます。七夕ということで、会場には願い事が書かれた短冊がありました。その短冊の中には「扇風機が直りますように」というものもありました。

■マスコットキャラの出番も「10分から15分程度」

 強烈な日差しが照りつけるなか、七夕飾りで彩られた商店街には多くの外国人観光客の姿が見られました。

 上野〜浅草を結ぶ、かっぱ橋本通りで行われた「下町七夕まつり」。おはやしに合わせてお祭り気分を盛り上げるのは、目玉イベントの阿波踊り。踊り手の額からは、汗が滴ります。

オーストラリアから来た人
「(Q.きょうの天気はどうですか?)ほんとに暑いです」
「(Q.オーストラリアの暑さとは違いますか?)ここは湿気が多くて、オーストラリアより暑いと思います」

アメリカから来た人
「(Q.きょうの天気はどうですか?)アツイデス。これはピーチソーダのアルコールで、すごくおいしい!リフレッシュできて涼しいです!」

 盛り上がる会場で目立つのは、外国人観光客。祭りの様子をカメラに収めようと一生懸命です。一方で、暑さで疲れてしまったのでしょうか、日陰で休憩している人も…。

イギリスから来た人
「ほんとに暑いです。日本は大体このぐらいの暑さと湿気ですか?」
「(Q.そうですね。イギリスは、これほどではない?)こんなに暑くないですね」

 週末、猛暑日となった東京。外国人観光客は涼を求め日本流で浴衣姿の人も…。

ドイツから来た人
「(Q.すてきな浴衣ですね。涼しいですか?)風も入ってくるし」

 こちらの男性、暑さをしのぐ方法は浴衣以外にもあります。

ドイツから来た人
「ほんとに暑いですね、でも少し対策もしています」

 出てきたのは扇子。日本流の方法で涼んでいました

 瞬く間に外国人観光客や子どもたちに囲まれた、かっぱ橋本通り商店街のキャラクター・あいかちゃん。次々と写真撮影に応じますが、ものの数分で帰っていってしまいました。

同行したスタッフ
「きょうは1日3回の公演で、1回あたり大体10分から15分程度ですね」
「(Q.きょうは暑いので、通常より短くなった?)そうですね。5分か10分は短いかなと思います」

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年7月8日放送分より)

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