機械メーカー「大川原化工機」を巡り、逮捕・起訴された元顧問が勾留中に適切な医療を受けられなかったとして、遺族らが国に損害賠償を求めた裁判の控訴審で、国側は争う姿勢を示しました。

 「大川原化工機」の顧問だった相嶋静夫さん(当時72)は、軍事転用が可能な噴霧乾燥機を不正に輸出したとして逮捕・起訴されました。

 相嶋さんが東京拘置所での勾留中に判明した胃がんで死亡した後に、東京地検は起訴を取り消しました。

 相嶋さんの遺族らは、死亡したのは勾留中に適切な医療を受けられなかったからだとして国に損害賠償を求める裁判を起こしています。

 1審の東京地裁は「緊急に手術を要するような症状があったという事情は認められない」などとして訴えを退ける判決を言い渡し、遺族らが不服として控訴していました。

 東京高裁で8日に開かれた控訴審の第1回口頭弁論で、国側は「東京拘置所の医師の対応に不適切な点があったとはいえない」などとして争う姿勢を示しました。

 相嶋さんの長男は、意見陳述を行い、「捜査当局の嘘と司法の判断ミスの連鎖による悲劇で、事件に関与した関係者は父に謝罪して下さい」などと訴えました。

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