米司法省は11日、銀行詐欺容疑で大リーグ、ドジャースの大谷翔平選手(29)の元通訳、水原一平容疑者(39)を訴追したと発表した。司法省の発表や米メディアの報道などによると、水原容疑者は2021年12月から今年1月までの約2年間で、約1万9000回の賭博を行い、計4000万ドル(約62億円)以上の損失を出していたことが判明。賭博が常態化し、損失額が膨れ上がっていた実態が浮き彫りになった。
米大リーグ機構(MLB)の公式サイトは「水原容疑者を銀行詐欺で訴追」との見出しで、水原容疑者の送金手口などに関する司法省の発表を報じた。記事によると、2018年に大谷がエンゼルスに入団した直後、アリゾナ州での銀行口座を開設する際に水原容疑者が手伝ったほか、口座開設の際に大谷の通訳を務めたという。
さらに記事では「宣誓供述書によると、大谷の給与はその口座に入金されていたが、口座の管理権を水原容疑者に与えたことは一度もなかった」と指摘。「水原容疑者は2021年9月から違法なブックメーカーでの賭博を始め、多額の損失を出し始めた」としており、この間に大谷の銀行口座の連絡先が変更され、口座が水原容疑者の電話番号に紐づけられていたという。
また、「水原容疑者が銀行の従業員と話す際に大谷と偽り、多額の電信送金を承認するよう説得したことが何度もあったことが、捜査中に入手した通話記録から明らかになった」と報じた。
約2年間で1万9000回の賭博
米ニューヨークポスト(電子版)は「2021年12月から2024年1月までの期間で約1万9000回の賭けを行い、1回の賭け金は10ドル(約1530円)から16万ドル(約2448万円)の範囲で平均約1万2800ドル(約196万円)となったとされる」と指摘。さらに「合計すると、水原氏は違法ブックメーカーを通じて約1億4225万ドル(約218億円)を獲得し、約1億8293万ドル(約280億円)を失った」として、累計で4000万ドル以上の損失があったとした。
米スポーツ専門局のESPN(電子版)は「訴状は水原容疑者の損失が即座に増大したことを示している。彼(水原容疑者)はブックメーカーに対し、自分の口座の融資枠を増やすよう、繰り返し依頼していた」などと報じた。
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