毎年、優れた成果を上げた写真家を表彰する土門拳賞(主催・毎日新聞社)の第43回授与式が11日、東京・毎日ホールであり、大宜味村出身の石川真生さん(70)が東京で開いた写真展「石川真生 私に何ができるか」が受賞した。石川さんは「写真展は多くの人に見てもらった。いろいろな人に助けられたおかげ」と喜んだ。

 昨年10~12月に開いた写真展は、1970年代から一貫して沖縄の人々を撮影し続ける石川さんの集大成。黒人米兵やバーで働く女性たちとの交友を撮った初期の作品から、琉球・沖縄の歴史などを表現する創作写真シリーズ「大琉球写真絵巻」までで構成され、訪れた幅広い世代に強烈なインパクトを与えた。

 現在、自衛隊配備に揺れる石垣島と与那国島で撮影活動をする石川さんは「生きている間に、あとどれぐらい撮ることができるかが勝負」と意気込んだ。

 選考委員の1人で作家の梯(かけはし)久美子さんは「記録性を超え、石川さんの目を通すことで被写体となる人の顔が浮かび上がる」と総評した。

 受賞記念写真展はニコンプラザ東京(30日~5月14日)、ニコンプラザ大阪(5月23日~6月5日)で開かれる他、10月には山形県酒田市の土門拳記念館でも開催予定。(小笠原大介東京通信員)

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