障害者グループホーム(GH)運営会社「恵」が食材費の過大徴収などをしていた問題で、同社が名古屋市内の事業所について、他の事業者に譲渡する方向で調整していることが5日、市への取材で判明した。
同社を巡っては、愛知県と名古屋市が6月26日、計5カ所の事業者指定を取り消す行政処分を出したほか、厚生労働省が同社が全国で展開する他の99施設についても6年ごとの指定更新を認めない「連座制」を適用した。施設の運営が不可能となった同社の対応が焦点となっていたが、譲渡方針が明らかになるのは今回が初めて。
名古屋市内には指定取り消しを受けた4施設を含む計6施設がある。8月末以降、4施設は順次指定が取り消されるほか、2施設は指定更新されなくなる。市は同社に対し、施設利用者が引き続きサービスを受けられるよう行政指導するとともに、5日までに今後の対応方針を記した報告書の提出を求めていた。
市によると、恵側は報告書で「引き続き、ここ(事業所)にいたいというニーズに応えるためにも事業譲渡を考えていく」などと回答。譲渡先選定には客観性を確保し、複数候補先を当たっていくとしている。転居を希望する利用者へは適切に調整していくと答えている。
ただ、スケジュールや譲渡候補先は示しておらず、市障害者支援課担当者は「引き続き、こまめに報告を求めていきたい。より一層、密接に一緒になって考えていく」と話している。
一方、市はこの日、利用者支援を進めるため、有識者や関係者による支援会議の初会合を開催した。【川瀬慎一朗】
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