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静岡県でおととし9月、3歳の女の子が通園バスの車内に置き去りにされ、重度の熱中症で亡くなった事件で、当時の園長に実刑判決が言い渡されました。女の子の父親は判決後、「助けられなくてごめんなさい」と娘への心情を語りました。

■父親「幸せだった家族壊された」

静岡県牧之原市の認定こども園に通っていた、河本千奈ちゃん。まだ3歳でした。

河本千奈ちゃんの父親
「次女を千奈は面倒を見てくれていたり可愛がってくれていたし、事件後は次女が大きくなって、千奈の遺影を見ながら“お姉ちゃん”の意味の“ねえねえ”と言って手を合わせたり。そういったことが本当に私たちはつらく耐えられません。本当に幸せだった家族を壊された」

千奈ちゃんは、送迎バスの中に約5時間も置き去りにされ、重度の熱中症で亡くなりました。真夏日の中、発見された時、千奈ちゃんは服を脱ぎ、持っていた水筒は空になっていました。

事件後の実証事件では、開始1時間程度で40度に達しました。高温の車内で、千奈ちゃんはなんとか暑さをしのごうとしていたとみられます。

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■「安全確保に対する意識欠如甚だしい」

■「安全確保に対する意識欠如甚だしい」

事件直後、当時園長だった増田立義被告は会見で、こう説明していました。

川崎幼稚園元園長 増田立義被告
「(Q.園児が車内に残っていないか、なぜ確認しなかったのか)僕もいつもやっていなかったので、運転をするというのが不慣れだったというのが一つの原因だと思う」

事件当日、いつもの運転手が休みだったため、代わりに運転していた増田被告。業務上過失致死罪に問われ、静岡地裁は4日、安全確認を怠ったなどとして、禁錮1年4カ月の実刑判決を言い渡しました。

國井恒志裁判長
「園児の安全確保に対する意識の欠如は甚だしく、園児の命を預かる保育者として非難を免れない」

40度を超す車内に取り残されて亡くなった、千奈ちゃん。裁判長は「誰からの助けもなく亡くなった。その苦しみは想像を絶する」と非難しました。

また、担任だった西原亜子被告(48)。当日、千奈ちゃんが欠席だと思い込み、保護者に確認の連絡をしていませんでした。

國井恒志裁判長
「西原被告の過失は、子どもの命を預かる保育者として到底軽視できるものではないが、増田被告の過失によって危険が現実化された偶発的なものと評価できる」

西原被告には禁錮1年、執行猶予3年を言い渡しました。

國井恒志裁判長
「お父さんやお母さんの泣く顔を見るために生まれてきたわけではありません。千奈ちゃんの命は、子どもの命を守る大切さを考えなければいけないと気付かせてくれました」

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■父親「助けられなくてごめんなさい」

■父親「助けられなくてごめんなさい」

実刑を訴え続けてきた遺族ですが、判決に対する思いは…。

河本千奈ちゃんの父親
「納得した部分もあるし納得できない部分もある。千奈ちゃんは、私たちが経験したことがない苦しみを味わいながら亡くなった。実刑になってよかったねとは思えない。それでも助けられなくてごめんなさい」

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