東京都内で4日、今年初めて35度以上の『猛暑日』を観測しました。熱中症警戒アラートが東京に出されたのも、今年、初めてです。

どんなに暑くても、日差しを避けられない仕事があります。
高さ250メートルでの電球交換。東京タワーのむき出しの鉄骨での作業です。244個もの電球を15人ほどの作業員が、ひとつずつ手作業で取り替えます。1日で終えなければならないそうです。

作業員・大澤泰雄さん
「何か頭がカーっとしてきますよね。ヘルメットのせいもあるが、汗が噴き出してくる感じ。できるだけ速やかに終わらせたいと心がけている」

この暑さで、本領を発揮したのが“涼み処”。暑さをしのぐために冷房を効かせた台東区の公共施設です。浅草にドジョウを食べに来た夫婦。食事の前に、ひと涼みです。

ドジョウを食べに来た夫婦
「(Q.涼み処は)すごく魅力的でした。きょうは地獄です、外は」

群馬県前橋市。インドネシアの商品を扱う店の前には、ぐったりした人たちの姿がありました。

インドネシア人買い物客
「めっちゃやばい、暑い(Q.日陰で休憩してる)そうです。(Q.なかなか経験しない暑さ)しないです。人生で初めて」

こんな日ですが、暑さに飢えた人たちもいます。
前橋市にあるサウナ。

赤城の湯・熱波師 アグリ添田さん
「猛暑になっても体は楽ですね。真冬でも90度に入っていますので」

サウナ歴5年の人
「体感温度が上がって、汗が出やすくなる。今年も多分、暑いと思うけれど、サウナ入って、乗り切ります」

関東では、4日午後9時現在、1都6県で、少なくとも合わせて265人が熱中症の疑いで搬送されています。

大分・豊後大野市では、午後3時半ごろ、90歳の女性が自宅のすぐ近くで倒れているのが見つかりました。死因は熱中症。女性は倒れる前、農作業をしていたとみられます。

まだ梅雨は明けていないのに、全国的に暖気に覆われ、気温が急上昇。猛暑日の地点は、今年、最多となりました。

特に、静岡には、より強い暖気が入って、静岡市は39.3度と災害級の暑さに。今年、全国で一番なのはもちろん、静岡では、過去に観測されたことがない気温です。

静岡市民
「ものすごく暑い。風が熱風だもんね」

静岡では、30人が熱中症の疑いで搬送されました。

4日夜、都心は2日連続の熱帯夜となりそうです。

4日朝に電球を取り換えていた作業員は、東京タワーを見上げていました。3日までの暖かな明かりは、いわば、冬バージョン。4日夜からは、少し涼しげな色に。毎年、この時期に切り替えられます。

作業員・坂本紀夫さん
「夏です、タワーの。作業員が暑いなか、頑張ったおかげ、これ見て、タワーを見て、少しでも涼しいと感じてもらえれば」


◆気象予報士の細川栞さんの解説です。

5日も危険な暑さとなりそうです。特に関東甲信は気温が高く、山梨・勝沼や、群馬・桐生では38度の予想。東京も連日の猛暑日となりそうです。

5日も、いかに暑さを避けるかが重要になります。

その一つの基準になるのが、インターネットで暑さ指数と自分の住んでいる地域で検索します。

環境省のホームページから、熱中症のリスクを確認することができます。

東京の住宅地を例に見ます。
5日午前9時の時点で『危険』レベルまで達しています。夕方以降、危険度は下がっています。買い物など出かける際は、日中を避け、夕方以降にしたほうがよいでしょう。

一番、気温の高い昼より前から危険な暑さとなっていますので、注意が必要です。

また、住宅地以外にも、駐車場や交差点などの場所や、地面からの影響を受けやすい子どもや、車いすの方など、状況に合わせた暑さ指数も確認することができます。

大雨のときにハザードマップを確認するように、どこで、どの時間帯が熱中症のリスクが高いのか事前に確認することが、命を守るため重要になってきます。

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