広島県内のボートレースのチケットショップを買収したとするうその投資話を持ちかけ、沖縄本島に住む自営業の男性(70)から5千万円をだまし取ったとして沖縄と広島の両県警は3日、いずれも鳥取市在住で会社員の容疑者(59)ら男女計5人を詐欺容疑で再逮捕した。両県警は捜査に支障があるとして認否を明らかにしていない。
再逮捕容疑は2022年8~9月、5人は共謀の上、沖縄県内のホテルなどで「ボートレースチケット販売所を運営する会社を買収した」と被害者に話し、出資すれば毎月1・2%の配当を支払うなどとうそを言い、指定口座に現金5千万円を振り込ませてだまし取った疑い。
5人は都内で別の男性から7千万円をだまし取ったとして、6月に詐欺などの疑いで逮捕された。沖縄県内でも複数の被害者がいるとみて、両県警は余罪を調べている。
■「自分が紹介したことで被害に遭った人も」 にじむ後悔
「広島のボートレースのチケットショップを買収する。出資してもらえたら、絶対にもうかるから」。約3年前、本島に住む会社経営の50代男性は県内のホテルのサウナでたまたま知り合い、意気投合した容疑者にそう誘われた。県内でも他に何人かに声をかけていると聞いたこともあり、「面白そうだな」と興味を持った。
容疑者は説明会を開くため、男性に知人を集めるように促し、集まった20人ほどに「1年近く運営すれば、利益は2億円以上になる」と説明したという。その後出資者らを集め、広島県に出向き、ショップの見学をしたこともあった。
広島県警によると「年間で計15%の配当を支払う」と話して信じ込ませるパターンが多かった。男性によると「紹介料」も支払うと伝えていたことから、出資者はどんどん増えていった。2022年夏に5千万円を振り込むと、広島に実在するチケットショップのロゴを使い、偽造した株式譲渡証明書も渡された。
男性によると、沖縄に被害者は他に少なくとも十数人ほどいて、被害額は億単位に上るとみられる。男性は「自分が紹介したことで被害に遭った人もいて、反省している。うまい話には簡単に乗らないことが大切」と後悔をにじませた。(社会部・豊島鉄博)
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