映画「ゴジラ」のテーマ曲で知られる作曲家、伊福部昭さん(1914~2006年)の生誕110年を記念し、伊福部さんの遺品を集めた記念館がルーツの地である鳥取市にオープンした。自筆の楽譜や愛用した楽器、写真などが展示されており、伊福部さんの足跡をたどることができる。
記念館は鳥取市河内にある築100年以上の木造2階建て民家を改装。伊福部さんが作曲に使った書斎が1階に再現され、休息時に弾いていたというリュートや客のもてなしに使ったコーヒーミル、結婚写真などが展示されている。年譜や音楽を手掛けた映画作品を紹介するパネルもある。今後、伊福部さんが作った曲のコンサートを年1回程度開催予定という。
伊福部家は代々、宇倍神社(鳥取市国府町宮下)の神官を務め、伊福部さんは家族の移住に伴い北海道で生まれた。12歳ごろから独学で作曲を始め、代表作「ゴジラ」のほか「静かなる決闘」(黒沢明監督)や「ビルマの竪琴」(市川崑監督)など多くの映画音楽を手掛けた。東京音楽学校(現東京芸大)講師や東京音大学長を務め、後進の育成に努めた。鳥取への愛着は深く、伊福部さんは因幡万葉歴史館の完成記念に「因幡万葉の歌」に曲をつけている。
伊福部さんの長女で陶芸家の伊福部玲さん(79)は「テーマを変えながら展示していきたい。父が実際に使ったものを見て、自由に感じてほしい」と話している。
7月は7日まで、8月以降は毎月第1金曜から4日間開館する。午前10時~午後4時。12月~翌年2月は休館。一般1000円、6~18歳500円。【渕脇直樹】
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