前橋地方裁判所=妹尾直道撮影

 虚偽の内容が書かれた電子書籍を出版され名誉を傷つけられたとして、群馬県草津町の黒岩信忠町長(77)が新井祥子元町議(55)ら3人に計4400万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、前橋地裁(田中芳樹裁判長)は17日、新井元町議に対して275万円、電子書籍を執筆した飯塚玲児氏(57)には新井元町議と連帯して110万円の支払いを命じた。別の元町議に対する請求は棄却した。

 田中芳樹裁判長(小川雅敏裁判長代読)は判決で、新井元町議が役場の町長室で黒岩町長と性的関係を持ったとする当時の証言について、本人尋問での供述などから「虚偽だった」と認定。証言内容がそのまま電子書籍に掲載されることを新井元町議は容認しており、名誉毀損(きそん)が成立するとした。飯塚氏についても「原告の社会的評価を低下させた」とした。

 判決後、黒岩町長は「出版から約4年半がたち、長い時間を要したが、我ながらよくやったと思っている。この間、いわれなきバッシングを私だけなく町や町民が浴びることになった」と話した。【日向梓、庄司哲也】

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