前橋市ゆかりの鈴木貫太郎元首相の平和への思いを伝えるため、前橋高卒業生ら市民有志が命日の17日、「前橋鈴木貫太郎顕彰会」を発足させた。同市大手町の群馬会館で会合があり、約250人が参加した。
今後、共同研究や情報発信を進める。元首相が長く暮らした現在の千葉県野田市にある記念館は2019年の台風19号の影響で休館しており、その再建支援やNHK大河ドラマの実現を目指す。市内の全小中学校に関連書籍を寄贈する。
鈴木貫太郎は1877年に東京から前橋市の厩(うまや)橋学校(現・市立桃井小)に転校。群馬県中学校(現・県立前橋高)に入学し、その後海軍兵学校に移ったが、前橋で多感な時期を過ごした。海軍大将や侍従長を経て、1945年4月、77歳で首相となり、8月にポツダム宣言を受諾し、内閣が総辞職した。
顕彰会会長の腰高博・コシダカホールディングス社長は「前橋の誇りとして後世に伝え続けたい」とあいさつ。沖縄県内へのカラオケ店出店で沖縄戦の激戦跡に足を運んだことをきっかけに、前橋高卒業生らと準備を進めてきたという。野田市の鈴木有市長は「ゆかりの前橋市とともに活動を推進したい」、前橋市の小川晶市長も「前橋の大事な歴史を伝える動きが始まっている。ぜひ広めていきたい」とそれぞれ述べた。【田所柳子】
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