講演する山口達也さん=津市新町で2024年6月23日、下村恵美撮影

 アイドルグループ「TOKIO」の元メンバーで、飲酒運転防止インストラクターとして活動する山口達也さんの講演会が23日、津市新町のプラザ洞津であった。アルコール依存症と診断されてから自身を見つめ直した経験を語り、依存症の支援者や当事者に「人に生かされていることに感謝し、自分の人生はきっと良くなると信じてほしい」とメッセージを贈った。

 依存症問題に取り組む山口さんは現在、自身の会社を設立して全国で講演している。この日は三重県保険医協会の創立50周年記念として登壇。会場で約320人が聴講し、オンラインでも約150人が耳を傾けた。

 山口さんは「飲めるのはかっこいい」と思い20代で飲酒を開始。徐々に飲酒量が増え、家で飲むようになると量が分からなくなってしまったという。2018年に飲酒中の強制わいせつ容疑で書類送検され、所属事務所を退所。断酒していたが20年に飲んでしまい、気付いたら事故を起こしていたという。その後、アルコール依存症の専門病院で治療を始め、この3年半は飲酒していないという。

 山口さんは「他人と比較して不安に駆られ、自己肯定感が低かった」と依存症に陥った背景を説明。「依存症を克服するには一生、一口も飲まないこと。病気と一生付き合うと決めた」と力強く語った。【下村恵美】

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