沖縄は23日、第二次世界大戦末期の沖縄戦の犠牲者らを悼む「慰霊の日」を迎え、最後の激戦地となった沖縄県糸満市摩文仁(まぶに)の平和祈念公園で、県と県議会主催の沖縄全戦没者追悼式が営まれた。参列した岸田文雄首相はあいさつで、「今もなお沖縄の皆様には米軍基地の集中などによる大きな負担を担っていただいている。政府として重く受け止め、負担の軽減に全力を尽くす」と述べた。
岸田氏が首相として追悼式に参列するのは2022、23年に続き、3回目。「沖縄戦の悲惨な実相と平和の尊さを次世代に継承していくことは、我々に課された責務です」とし、「私たちが享受している平和と繁栄は、命を落とされた方々の尊い犠牲と沖縄の方々の筆舌に尽くし難い苦難の歴史の上にある」と述べた。
基地負担の軽減については、米軍から返還された西普天間住宅地区(宜野湾市)の跡地に25年春、高度医療拠点ができることを挙げ、「目に見える成果を一つ一つ着実に積み上げる」と強調した。一方、23年の追悼式と同様に、県内各地での自衛隊増強や米軍普天間飛行場(同市)の名護市辺野古への移設計画には触れなかった。【比嘉洋】
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