小学生の娘の健康診断の結果に不満を持った市議。「医師を辞めろ」などとクレームを入れ、本当に学校医が辞めてしまいました。

 栃木県大田原市議会の斎藤藤男市議(44)。娘のことで学校医に直接電話したといいます。

 19日に直撃すると「経緯をしっかり伝えてほしい」と取材に応じました。

栃木・大田原市議会 齋藤藤男市議
「報道に関しては、事実な部分がほとんどです。『医者を辞めてしまえ』と言いました」
「(Q.それはどういった思いから?)(娘の健診結果で)“肥満度”という数字が書かれていて、“肥満”のところに丸が付いて、でもウチの子どもはそんなに太っているように見えなくて、本当におかしいのかなって」

 小学校の健康診断で齋藤市議の娘が「肥満」と診断されたといいます。

 市議によると健診結果にあった数値は一般に「正常範囲」とされるものでした。

 疑問を感じた市議はまず学校に問い合わせましたが、要領を得ず、学校医に電話したといいます。

栃木・大田原市議会 齋藤藤男市議
「“肥満”の通知をいただいてから、ウチの娘も朝飯は食わない。昼食は学校の給食はもうおかわりをやめた。夜は全く食わないとなって。これはまずいだろって思うじゃないですか、僕も。そうやって肥満外来じゃないけど、自分のところのお客さんになるようにしているのかなと思って。お金もうけだけ考えているような医者だったら『医者なんか辞めてしまえ』ということを僕は言った」

 市に確認すると、身長・体重・年齢から自動的に計算される「肥満度」以外にも、学校医の判断で個別に受診を促すことはあるそうです。

 30年以上にわたり学校医をしてきた70代の男性医師は市議からの電話の後、学校医を辞任しました。

 このことで市役所が対応に追われることになります。
 
大田原市教育委員会 篠山充教育長
「新しい校医を何とか人選してほしいと医師会にもお願いしている」

 後任の学校医が決まらない状況が続いています。

 今回の事態を生んだ「辞めてしまえ」発言を齋藤市議はどう受け止めているのでしょうか。

栃木・大田原市議会 齋藤藤男市議
「本当に浅はかだったと思う。頭に来ちゃったので…。あと僕が市議会議員だと名乗っていなかった。今までも普通の人だったから、僕は(電話で)名前も言わなかったから分かんないだろう、みたいな感じもあったんだと思う。だから言っちゃったという感じなんですよね。言い方ですよね、やっぱり。言った内容もそうですよね、『辞めちまえ』というのはおかしいよね」

 齋藤市議は18日、辞任した学校医のもとへ直接謝罪に訪れたといいます。

栃木・大田原市議会 齋藤藤男市議
「今回は本当に『言葉が過ぎました』と。『ぜひとも学校医を続けていただきたい』と言って参りました」

 しかし、男性医師は辞める意向を撤回していないということです。取材を申し込むと「この件についてはノーコメント」と回答しました。

 市議会は齋藤市議の倫理的な責任を含め、対応を協議する方針です。

栃木・大田原市議会 齋藤藤男市議
「それ(処分)はもう仕方ない。色んな対応に対し、そのまま受け止めていく。(ただ)皆から負託を受けて議会に出させていただいているので4年間は続けたいとは思っている」

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。