天皇陛下は19日、英国への公式訪問(22~29日)を前に皇居・宮殿で記者会見された。日英両国が積み重ねてきた友好的な交流や戦争の歴史を踏まえ、「平和を愛する心を育んでいくことが大切」と述べ、若い世代の交流の広がりなど、友好親善の深まりへの期待を語った。訪英には皇后雅子さまも同行する。
天皇陛下は両国関係について「困難な時期もありましたが、現在は経済、文化、科学技術、教育など幅広い分野で緊密な協力関係を有しています」と良好な現状を説明。「戦争の傷を癒やすために人々が地道に積み重ねた努力があったことを忘れることはできません」と述べた。
皇室と英王室の交流では、エリザベス女王が2022年に亡くなったことに触れ「ご存命中にうかがえなかったことは心残り」とし、「王室の方々と旧交を温めたい」と話した。英国留学中に王室から受けた数々のもてなしを振り返り、「長年にわたって皇室、王室のみなさまが培ってこられた温かい交流のおかげ」と感謝した。女王が運転する車に乗ったり、チャールズ国王に釣りを教わったりした思い出も披露した。
天皇、皇后両陛下が留学したオックスフォードへの訪問については「市内の散策を心待ちにしている」と語った。留学経験を踏まえ「若い世代が外国への関心を持ち続け、世界中の国の人々と友好を深める機会が増えていくことを期待している」と述べた。
安定的な皇位継承の議論に関する質問には「公的活動を担う皇族は以前に比べ減少してきています。これは皇室の将来とも関係する問題です」と従来と同様の認識を示し、「制度に関わる事項について、私から言及することは控えたい」と述べるにとどめた。【山田奈緒、高島博之】
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