国際協力機構(JICA)の田中明彦理事長が16日、東京都内で記者会見した。日本の政府開発援助(ODA)が今年で70年を迎えたことについて「これまで主にアジアの経済発展に貢献してきた。開発途上国から高く評価されており、今後も革新的な事業を着実に進めていく」と語った。
JICAは日本のODAの実施機関。田中氏はこれまでの開発協力の事例として、フィリピン・ミンダナオ紛争の和平プロセスにJICAが大きく関わってきたことなどを挙げ、「21世紀以降はとりわけ日本らしい援助を行っている。その一つが開発協力を通じた平和構築だ」と強調した。その上で「日本の開発協力は成熟期を迎えており、今後も質の高いプロジェクトを組織的に行いたい」と述べた。
一方、ロシアによる侵攻が続くウクライナへの支援についても言及。これまでに地雷除去機の供与やがれき処理など多岐にわたる支援を進めてきたとし、「ウクライナの復旧・復興に貢献する分野で、ウクライナ政府と緊密に交渉し支援の内容を決める」と話した。【松本紫帆】
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